お酒を飲みすぎた翌日、頭痛や吐き気に見舞われたことはありませんか?
いわゆる「二日酔い」というやつですが、実はこの症状を改善するのに筋トレが効果的だという話があるんです。果たしてそれは本当のことなのでしょうか?
「今すぐに二日酔いを治したい」
「二日酔いの対処法を知りたい」
そのような方も多いのではないかと思います。
そこで当記事では、二日酔いと筋肉あるいはそのトレーニングの関係性についてお話しいたしますので、参考にしていただければ幸いです。
マッスル目次
どうして二日酔いは起こるのか?
体内に入ったアルコールは、肝臓によってアセトアルデヒドに分解されます。二日酔いの原因はこれがまだ排出されずに体内に残っていることです。
アセトアルデヒドは毒性が強く、頭痛や吐き気を引き起こします。これはさらに水と二酸化炭素に分解され、体外へ排出されますが、その作業が終わるまでは二日酔いの症状に悩まされるということです。
アセトアルデヒドは酵素により分解されます
アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド分解酵素により水と二酸化炭素に分解されます。そして体外へ排出されるため、二日酔いの人の体は軽い脱水状態にあります。
水分を補給することでアセトアルデヒドの分解が促進されるわけではありませんが、脱水状態を改善するという意味では、水分補給が重要となります。
お風呂やサウナに入るのは危険です
「酒を抜く」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
二日酔いの人はお風呂やサウナに入ったりして、症状を改善しようと試みますが、結局は体内のアセトアルデヒドが分解されないことには頭痛や吐き気は収まらないわけですから、風呂やサウナに入ることはあまり意味のない行為なのです。
むしろ、お風呂やサウナに入るのは、前述したように、体が脱水状態にあるわけですから、危険な行為だといえるでしょう。
脱水状態が悪化する恐れがありますので、二日酔いのときには、むやみにお風呂に入ったりしないほうが良いのです。
筋トレは二日酔いに効くって本当?
筋トレは、二日酔いの症状の改善に期待できます。ミシガン州の大学の研究に拠れば、ダンベル等を用いた軽い筋力トレーニングは二日酔いの症状改善に効果があるとのことです。
その理由は、筋トレをすることによってエンドルフィンというホルモンが分泌されるからです。
エンドルフィンは喜びの感情を高めます
筋トレなどをしたときに分泌されるエンドルフィンには、喜びの感情を高めたり、モチベーションを向上させたりする効果があります。
これによって二日酔いの不快感が解消されると言われているのです。
アセトアルデヒドの分解に直接的な効果はない
エンドルフィンはアセトアルデヒドの分解に直接関与するわけではありません。ですから筋トレをすることによって、二日酔いの症状が劇的に改善するとか、持続時間が短くなるとか、そういうことはないのです。
あくまでもエンドルフィンにより不快感が和らげられるというだけの話です。
ハードな筋トレは危険?
二日酔いのときにハードな筋トレをするのはやめたほうがよいでしょう。
まだ酔いが残っている状態でハードなトレーニングをすると、思わぬ事故に繋がる可能性があります。特にスポーツジムなどでマシンを使ってトレーニングをするときには注意が必要です。
また、ハードなトレーニングをするとたくさん汗をかきますから、脱水状態にある体にさらに負担をかけることになります。二日酔いのときにはあくまで軽いトレーニングを行うに留めておきましょう。
解決してくれるのは時間だけ
結局のところ、二日酔いの症状を改善するには、「待つしかない」ということです。
筋トレをすることで少々不快感は和らぐかもしれませんが、根本的な問題、つまりアセトアルデヒドの分解が終わらないことには、二日酔いは持続するのです。
筋トレはその二日酔いの持続時間をできるだけ快適に過ごす方法であり、二日酔いを根本から解決してくれるものではないんですね。
筋肉が多いと脱水症状になりにくい
筋肉が多いと二日酔いになりにくい、といった話もありますが、それは誤りです。筋肉が多ければ脱水症状が引き起こされにくいというだけです。
筋肉には大量の水分が蓄えられており、体全体の水分量が多いため、筋肉量の多い人はそれだけ脱水状態になりにくいのです。
熱中症に強いほか、二日酔いに伴う脱水症状にも強く、安全にお酒を飲みたいと思うなら、普段から筋トレをしておくとよいでしょう。
筋肉量と二日酔いまとめ
以上、筋トレと二日酔いについてお話しいたしました。
二日酔いの症状の改善には、軽い筋トレをするのが良いのですが、それは二日酔いそれ自体を根本から解決してくれるわけではありません。
また、筋肉量が多いと二日酔いになりにくいという話もありますが、それはまだ医学的に証明されたことではありません。筋肉には大量の水分が保存されており、脱水症状に陥りにくいというだけです。
熱中症や二日酔いによるひどい脱水症状を防ぐことを目的に、普段から筋トレをしておくのは良い心掛けです。
二日酔いの日にではなく、酒を飲んでいないときに少々ハードなトレーニングをして、筋肉を蓄えておくとよいでしょう。
その際に筋肉サプリを飲むなどすれば、より効率的なトレーニングができます。興味のある方はぜひ、調べてみてください。